
満開の白い躑躅。私にとってこの花は、心の拠り所とも言える、ある静寂の領域を象徴している。
「もっと踏み込めばいいのに」「遠慮しているのか」と人は言うかもしれない。
だが、ペシミズムを抱える私にとって、相手を急かし、他者に「密接さ」を要求することは、
自らの美学や倫理観にひどく反するのだ。
過度な期待で誰かの領域を侵すくらいなら、ただ
「いつか誰かが見てくれたら」「誰かに届けば」と、静かに投げ込むだけでいい。
思えば、私のすべての創作活動も、こうしてブログに言葉を記す行為も、
根源的にはそれと同じ性質を持っている。
世界が強いる即時的な反応や、他者からの承認の欲求はそこにはない。
ただ「自分が確かにここに存在し、ファインダー越しにこの景色を見た」
という事実だけを瓶に封じ込め、ボトルメールのように見知らぬ海へと放流する。
誰かの岸辺に流れ着くかもしれないし、誰の目にも触れずに波間を漂い続けるかもしれない。
その徹底した無頓着さと距離感。ただ沈黙のままに事実だけを投げ込み続けることこそが、
私にとって最も誠実な、世界へのマーキングなのだ。